2010年2月15日月曜日

厳しい冬

いかにも厳しそうなこの景色を眺めていると、
時期的には過ぎてしまってはいますが、
「冬ごもり」という言葉が脳裏をかすめます。
ですが私たちは言葉は知っていても実際には
冬ごもりなど経験したことはないし、その厳しさを知らない。
電気や灯油やガスのある暖かい屋根の下で
ぬくぬく生活にどっぷり浸り込んでいる。
わざわざ山に行って、薪など準備しなくていい。
食料は近くのスーパーへ行けばなんでも揃っている。
春から秋にかけて、朝から晩まで田畑を耕して
せっせと食料を蓄えなくていい。
野菜などを薦で覆ったり、床下に保管しなくていい。
この歳になるとなにからなにまで昔が懐かしく
小さい子どもの頃を思い出してしまう。
冬前には納屋の軒下に薪がいっぱい積まれ、
納屋の中では鶏が藁の上でコツコツ群れ
板囲いの屋根下ではヤギがいつも口をモソモソしていた。
傍らには芋やミカンなどが薦を被り、
柿や大根などが軒下にいっぱい吊されていた。
大きな樽の上には重そうな石がデンと座り、そこからは
糠の匂いがプーンと。
村々での共同作業やまつりごと、それに当時の
生活の知恵などはどこかへ行ってしまった。
現代はお金さえ有れば、病気さえしなければ、
老いさえ知らなければ、独りで気楽に生きていこうと思えば
生きていける時代だ。
ただし、人と人の激しい生き残りの競争に勝ちさえすればだが。
残念なことに負け組は辛い思いをさせられることになる…かな?

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