2013年12月31日火曜日

山道

 
 
山には驚くほどたくさんの道があったらしい
「塩の道」「カッタイ道」「サンカ」「木地屋」
「マタギ」「杣人」「焼畑農業者」「鉱山師」
「炭焼き」「修験者」「落人の末裔」などなど
 
-山に生きる人びと-宮本常一著-(参考)
 
四国にもそういう道があちこちにあって
四国山脈の徳島から愛媛までの山々に通じていたようです
その昔、女性の方がどのようにして歩いたのか
徳島から愛媛西条の山奥へと訪ねてきていたそうだ
人知れず何日もかけて、寝泊まりや食事は
どのようにしていたのだろう、素朴な疑問が頭を駆け巡るが
そういう一つ一つの凄まじいばかりの
歴史があったということに驚きを感じる
 

2013年12月30日月曜日

雪の里山

 
久しぶりに大川山に登ってみました
モノトーンの静かな林
深いところで40cmほどの雪でした 

 
狛犬も頭からスッポリ雪化粧
 
 
ひまわりの種を台の上に置くと
ヤマガラがたくさん飛んでくる
なかにはゴジュウカラとシジュウカラも混ざっている
 
すぐに無くなり、おかわりを待ちきれない小鳥たちが
頭や肩に止まり、チーと一声、たまらなく可愛いのです

 
なかでもヤマガラは人なつっこい
手の上に乗り
カメラポーズをしてくれる
 
エサはピーナッツが一番のお気に入りで
ひまわりとピーナッツを同時にやると
ひまわりには目もくれない
 
袋の中にまで体をねじ込み
砕いていない大きなピーナッツを丸一粒サッと持ち去る
 
※半欠けのピーナッツをくわえて飛び去るヤマガラ

2013年12月29日日曜日

毛坊主

 
 
毛坊主、初めて聞く言葉です
 
山間僻地で寺僧を招くことが容易でないところでは
半俗半僧の者が葬式の世話をしたという
この僧は家の中に仏像をまつっていたが
普段は俗人の姿で百姓をしていたらしい
 
一遍上人の流れをひく時宗の僧と
なんらかのかかわりがあったらしく
毛坊主のいるところでは
念仏踊りや太鼓踊りが盛んだったようです
 
死者の供養に明るく賑やかに
踊った念仏踊りは
のちのち雨乞い踊りや盆踊りにも
なったという説もあるようです
 
言葉の由来はたぶん、半俗半僧だからこそ
頭に毛を生やしている坊主さんなんでしょうね
髪の毛をふさふさ生やした坊主さん
ちょくちょく見かけてます

2013年12月28日土曜日

地名

 
 
観音寺市に出作というところがある
たしか高松にもある
いずれも街中ではない
郊外でやや山手に近い微妙な位置にある
日本のところどころにも
同様の地名があるが、似たような位置が多い
 
昔々、作物を作るのにここまでが出外れみたいな
そんな感じで呼ばれた地名らしい
そこから先はいわゆる野の外れという
ことだったのだろう
 
野にはまだまだ野生の動物たちが多く棲んでいた
時代だろうと思われる
現代では不思議な呼称だが
昔からの地名にはなにかしら意味があってのことらしい

2013年12月27日金曜日

本当か?

 
 
ウェストン著の日本アルプスの
登山と探検に以下のような記事が載っている
 
日本における最大の親孝行は
蚊を防ぐ手段のないとき
両親が蚊に刺されないように
子どもが身をもって
蚊の餌食になることだといわれている。
また、寡婦が求婚者に向かって
蚊帳が広すぎると言うのは
「祝言の日どりを決める」のを
承知したことになるのである。
 
蚊取り線香がまだ普及していない
時代だったのでしょうか
明治時代の日本にはそういうことがあったんですね
 
もしも、いま蚊を防ぐ手段がなかったら
子をまもるために母親が犠牲になる時代です
父親はどうか?
その場から逃げていないでしょう
いずこに?
居酒屋でカラオケってとこでしょうか

2013年12月26日木曜日

千社札

 
 
お寺へ行くと門や
本殿の柱などに必ず貼られている千社札
江戸時代に流行ったものらしいが
これが四国八十八ヶ寺などの札所の始まりとか
札を打つ、巡礼を指す言葉だ
 
一つ一つを見ていると
なんとなく面白いが残念ながら情緒はない
これも人の欲望の権化の象徴のように見えてしまうが
穿った見方だろうか
 

2013年12月25日水曜日

鳥居

 
 
日本人でありながら
鳥居の意味するところを知らないでいる
 
一般的には神社での神の聖域とする
結界に位置する門といわれているが
鳥居は神社仏閣ができる以前から建てられていたもので
起源は分かっていないらしい
 
結界とする門がなぜ鳥の居なのか
語源は鳥居ではなく通るからきたものだという説もある
 
神社仏閣以前のその奇妙な門は
本来どういう目的で建てられていたのか
何千年もの昔の風習が
いつのまにか神社仏閣の神聖な門として
残り現代でも使われている
不思議なことだ
 
その神社仏閣も廃村が増えつつある今日
見捨てられ荒廃の一途をたどっているように見えるこの頃です

2013年12月24日火曜日

暖炉

 
 
蚤と異なってヒトジラミは簡単に駆除できる
寄宿主から離れてしまうと生きていけないというか弱い昆虫で
一生の間で産む卵はわずかに100~200個
寿命は3週間から1ヶ月と短い
 
衣類を頻繁に着替えたり洗濯したり
お風呂に入ったりして清潔にしていればいなくなってしまう
 
ところがケジラミというヤツはやっかいなシラミらしい
こいつはわざわざ陰毛に付着し
毛穴に食い込んで血をうみ出し
固まった血を食する
ものすごく痒いらしい
 
陰毛にしか棲息せず、卵も陰毛に産みつける
お風呂に入っても陰毛にしがみつきしぶとく生き残る
もしくは毛穴深くに潜り込む
 
ヒトからヒトへ移るときは
ほぼあのときしかないそうだ
なのでケジラミに関する俳句は好色だ
 
「飛びじらみおいらじゃないと女房いい」
「毛ジラミに尼と入道二人出来」
 
しかし、このケジラミも意外と簡単に駆除できる
陰毛を剃り落とすと
卵を産み着けるところがなくなり
やがて死滅する
 
「女房 ある日突然 つるつるで」
 
しかし、そこは百戦錬磨の古女房、
こんなことでは馬鹿亭主に
浮気はばれません
口先三寸で言いくるめるのはいとも簡単なもの
 
良き亭主は、騙された振りして
いつまでも仲良く暮らすなり

2013年12月23日月曜日

回る扇風機

 
 
反復は成功の母
 
-ウオルタ-・ウエストン-
 
ウエストンさんが日本アルプスを歩いた頃
の日本はどこの宿でも蚤・シラミに悩まされたそうだ

2013年12月22日日曜日

蚤で天気占い

 
 
子どもの頃、蚤がたくさんいたようで
小学生のときは髪の毛の長い女の子は
DDTの白い粉を頭から降りかけられていた
家でも春と年末の大掃除のときは
畳を上げて床にしっかりDDTを撒いていた
おかげで蚤や虱の被害には遭わなくてすんだが
ところがある日シャム猫をもらってきて
可愛がっていたところ
突然に蚤がわいて、咬まれるとものすごく痒くて
1週間から10日も痒みが止まらず
咬まれたところは痣になった
 
その日から蚤との挌闘、ところがDDTは発がん性の
有害物質ということで発売禁止
仕方なく毎日来る日も来る日も
掃除機をかけていたらそのうちいなくなった
 
DDTは戦後アメリカの進駐軍が
あまりの蚤シラミの多い日本に辟易して持ち込んだもので
それまで、日本は蚤とシラミ大国だったらしい
 
のみしらみ 馬の尿する 枕もと-松尾芭蕉-
       蚤虱 音に鳴く秋の 虫ならば わが懐は 武蔵野の原-良寛-
    よい日やら 蚤が跳ねるぞ 踊るぞや-小林一茶-

           蚤をつかまえて火であぶるとパチンと音がして
弾けると翌日は晴れ
音が無くジュッと焼けると翌日は雨
 
蚤のいない今となっては確かめる術がなくなった

2013年12月21日土曜日

お天気にかかわる諺

 
 
ただの言い伝えか、本当か、それとも迷信か
お天気に関する諺はたくさんあるが
当たってるのかどうかは…
 
晴れ
「入道雲が南に立てば晴れ」
「朝もやの昼日より」
「猫が走り回ると晴れ」
「雀が水浴びすれば晴れ」
「犬がいつものねぐらから出て野天で寝る」
「トンビが夕方に鳴く」
「虹が東の空にかかる」
「早朝のにわか雨は晴れる」
「夕方ハトが鳴く」
「鮒が岸に寄ると晴れ」
 
「猫が顔を洗う」
「山が近くに見えれば雨」
「煙が這うと雨が近い」
「早朝暖かいときは雨」
「カニが塀に昇れば雨」
「朝雉が鳴いたら雨」
「北西に虹が立てば洪水」
「梅雨の西風は水桶」
「雄鳥がいつもより早くねぐらに帰る」
「烏が水浴びをすると翌日は雨」
 
「フナムシが陸に上がれば暴風」
「星がふるえて見えると風雨」
「烏が群がって鳴き騒ぐ」
「川の瀬音が高く聞こえる」
 
-その他たくさん-
 
 
山に住む人、海に住む人の言葉
特に漁師・猟師さんは
大いに信じていいと思うのですが
上記の諺のどれがどこから伝わったのかは分からない
 

2013年12月20日金曜日

迷信

 
 
昔の迷信にはいろいろとありますが
なかには躾とか生活の知恵とかも
入っているので一概には言えないが
だいたいはウソが多い
 
子どもの頃「人を跨ぐと大きくなれない」
と親によく言われました
なので「もう一度跨ぎ返して戻ればどもないやろ」
とか屁理屈こねては何度も跨ぎ直してヘラヘラ
笑ってた記憶があります
終いにどつかれました
おかげで体はこんまいままです
 
「スイカの種を食べるとお腹が痛くなる」
とも言われました
逆らってガリガリ食べましたがどもなかった
しばらく年を経て虫垂炎になった
 
 
「財布に蛇の皮を入れておくとお金が溜まる」
山に行って探して探して、入れましたが
溜まりません
いまだにこの歳になっても貧乏なまま
今年は年末ジャンボ7億円
当てるぞ~って、買ってないが~
 
「ミミズにしっこかけるとちんちん腫れるよ」
振りかけました
腫れるどころかちょんまいままです(泣)
その後も大きくなりまへん
 
「夜爪を切ると親の死に目に会えない」
お風呂に入ったあとに切ると
爪がふやけて柔らかくなってるので
必ず夜に切ってましたが
両親とも死に目に会えませんでした(泣)
 
ところでこんな迷信があるのを知りませんでした
「人が眠っているときは魂が外に出ているので、無理に起こすと
魂が帰る暇がなくなり、取り返しがつかなくなる」
この迷信はちょっと怖い話で、試してみたくないですね

2013年12月19日木曜日

昔の温泉

 
 
日本人は大の温泉好き
これほど温泉好きな国民は他には見当たらないそうですが
昔は男女混浴が当たり前で
今のように男湯と女湯が別々になったのは明治以降
 
当時は温泉の中で
ご夫婦があるいは家族が温泉の中でお互いに
ご挨拶していた場面もあったそうで
これを目撃した外国人は目を白黒させたそうだ
 
明治政府後に男女混浴の禁止条例を各地で出したが
しかしそんなことはどこ吹く風
浴槽の真ん中にしきりをしただけ、
跨ぐだけで往き来できるという温泉もあったそうだ
 
寒くなると温泉が恋しくなります
ホッカホカと旅行にでも行きますか

2013年12月18日水曜日

雨乞い

 
 
あまりにも長い間日照りが続くと
田んぼが干上がり、飲み水さえ確保できなくなる
そんなときは必ずあちこちで雨乞いが
行われるがたいがいは
その地域で一番高い山の頂だが例外も結構ある
 
この儀式で一番おもしろいのは
雨乞いをしたにもかかわらず、雨が降らなかったときのことだ
 
先ず、山頂に祀られた祠へと登り
かがり火を焚いたり鐘や太鼓を鳴らして踊りながら大騒ぎをする
地方によっては酒をかっくらい
鉄砲をぶっ放したり
絶壁から岩を転がし落としたりもする
もしそれでも雨が降らなかったら
祠を叩き壊し、なかのご神体を台座から落とし
田んぼやどぶに罵りながら投げ込んだりしたとか
 
あるいは祈祷した人物を嘘つき呼ばわりしたり
罵ったり、命の危険もあったとのこと
 
今はもうそんなことはしてないと思うのですが、
昔の人は凄まじいことをしてたんですね~

2013年12月17日火曜日

エスケープルートと危険予知・回避

 
 
その山に登るときあらかじめ
あれこれと計画を立てることは楽しいことです
登りたい山-アクセス-登山口-ルートと所要時間・日数-
宿泊方法・場所-食糧・水・装備-下山口などなど
そしていよいよ登山計画書を書き上げる段階で
エスケープルートを設定する
 
短い距離での日帰りならもし万が一
天候が荒れたり、事故などを起こしたりした場合は
歩いてきたコースを引き返せばいいのですが
長い場合や2泊以上の場合は必要です
その場合は安全かつ迅速に下山できるコースを
選ぶようになります
 
これも一つの危機管理ですが日頃から計画の中に
盛り込む習慣づけと
併せて危険予知訓練を兼ね備えて
実践すればより安全な登山ができます
 
危険予知については言うまでもないことですが
ラジオの天気予報を聞いたりしながら
今後の天気を予測したり
岩場やザレ場では落石や滑落の危険を予知したり
ルート上でのポイントを設定し道迷いを
防いだり、あるいは雷雨や沢での増水に備えて
危険を予知・回避することは大切です
 
一般的に危険予知訓練は交通事故を防ぐ手段として
広く実践活用されていますが
山でも普段から「ここにはこんな危険が潜んでるな」
といった訓練をしておれば
自然に習慣づけることができ、身につくものです。

2013年12月16日月曜日

山食は…

 
 
やっぱりカレーが一番
レトルトカレーに一品か二品加えて
オリジナルカレーに変身というのが
手っ取り早くてしかも美味しい
 
加えるのはそれぞれの方のお好みですが
できたら鶏肉がいいかな~
小さなフライパンで鶏肉をちょいとバターで炒めて
それをレトルトカレーに入れて
グツグツ煮ると出来上がり
 
なすびかレタスの野菜なども炒めて加えると
シャキシャキトしてなお美味しい
 
もしくは焼き肉用の牛肉を二つ三つだけ
持っていって、これをコンロで焼いて
グツグツと煮て食べるのもいいようです
 
その場合、水を足して、カレースープとして
いただくのもいい
疲れがとれて、翌日には力が出ます
 
ポケットにチョコレートやナッツ、干しぶどうかナツメヤシなどが
あればもう言うことなし
飲み物はココアやコーヒーに紅茶があれば
ルンルンですね

2013年12月15日日曜日

低体温症に有効な食べ物

 
 
 
急速に体を温める食べ物は糖分
口にしてから15~30分で血糖値を上げてしまう
飴、スポーツドリンク、お菓子、ジュースなど
 
特に脳は炭水化物が分解してできるブドウ糖だけを
唯一のエネルギーとしていて
これが不足すると脳は働かなくなり
集中力、気力がなくなる
 
一方筋肉も主としてブドウ糖がエネルギー源で
不足するといわゆるシャリバテとなり
急激に動けなくなる
 
事実、遭難し救助された方には
あのとき残ってた飴のお陰で力が湧いたし
助かった一つの大きな要因になったかもしれないとの話があるほどだ
 
長く動くためには肝臓でグリコーゲンとして貯蔵しておく
必要があるが
米飯、パン、餅、バナナ、麺類などが
ゆっくり吸収されるので山登りする
前日に食べておくといい
 
また、アミノ酸は体の糖が不足したときには
重要なエネルギー源となるため
常に携行しておくといいようです。

2013年12月14日土曜日

大量に発散する水分とエネルギー

 
 
体の水分は汗や尿からだけではなく
目や鼻、様々なところから汗とは別に
蒸発している
その量は一日に肺から400ml、皮膚から600ml
汗はかかなくとも合計1リットルも失われることから
水分が補給されないと
凍傷および低体温症にかかりやすい
 
また、冷えた空気が肺に取り込まれることによって
熱が奪われる
そのカロリー数は1500~2000キロカロリーにもなる
 
運動エネルギーも含めると
相当なカロリーが消耗されていることになることからも
補充なしに山を歩くことが
いかに無謀かということがよくわかります
 
雨に濡れたり、風に長時間さらされたり
した場合には一層のエネルギー補給が必要ですし
補給なしでは凍傷や低体温症に
早くかかってしまいます
水分、食糧とも早め早めに補給することが求められます
 


2013年12月13日金曜日

低体温症と脱水

 
 
体が冷えてくるとおしっこが頻繁に出る
人によって多少異なるかも分からないが
夜寝ていて、朝起きたときに夏ならば
トイレへ行く必要もなく余裕だが
冬になると朝方まで待てない、そんな経験は
しょっちゅうしていると思う
 
人の体は体温の低下によって
体の表面の血管が収縮して、水分が体内部の
血管に集まる
この現象によって尿が急速に膀胱に溜まり、
そして放出されることになる
 
寒冷に長時間晒されれば
利尿は増え、さらに脱水症を引き起こすようです
冬場の脱水症は
疲労を促進し足がよろけ、意識朦朧やがて動けなくなる
少量の塩分や糖分糖質の入ったスポーツドリンクが
有効だが夏場の熱中症と異なるのは
冷たい飲み物ではなく温かい飲み物が最適なようです
 
冷たい飲み物をとるとますます低体温症になること
および夏場と違って冬場の喉の渇きは覚えにくいこと
十分に気をつけたいものです。

2013年12月12日木曜日

低体温症と熱伝導率

 
 
体温を急速に奪うものはなにか
風、寒冷な気温、そして水(雨、汗)
 
水の中では通常の25倍の速さで体温が奪われていく
実際の水没実験では
 
水温   意識不明に至る時間  予想生存時間
0度以下       15分以内      15~45分
0~5度       15~30分      30~90分
5~10度      30~60分       1~3時間
10~15度      1~2時間       1~6時間 
15~20度      2~7時間      2~40時間
 
熱伝導率
空気  0.006
ダウン  0.01
ポリエステル  0.016
木綿    0.033
雪    0.115
木    0.8
水    1.4
コンクリート  2.2
氷    5.7
 
この数値からもいかに風をシャットアウトし
空気の層を体のまわりに作るのが大切かということが
よく分かります
 
エアーマットなんかは地面からの冷気を
完全ではないけれども遮断
ウインドブレーカーやカッパの下にダウンや
ウールのセーター、フリースを着用し空気の層を作ってやる
また木綿の下着よりはポリエステルが有効のようです
 
汗や雨で濡れるのは禁物なので
乾いた着替えをザックに入れておく
防災シートにシェルターなどもいかに大切かも分かりますね
 
なお、なにもない場合は雪洞を掘って
入口をツェルトなどで塞ぎ風が入らないようにして
なかでローソクやコンロで暖をとれば
低体温症は一定程度防ぐことが出来る
この場合ツェルトだけよりは
雪洞のほうが風の侵入はよく防げるし
熱もある程度逃げないようです

2013年12月11日水曜日

低体温症の予防

 
 
気温が低い山で強風が吹く日は体感温度が急激に下がるので
低体温症に要注意なのですが
風をシャットアウトしさえすれば一応は大丈夫なようです
風は空気ですから熱伝導率が他のものと比べて低く
逆に保温効果が高まります
 
しかし、気をつけないといけないのは
下着・衣服が濡れていたりするものを乾いた物に着替えたり
いろいろと手を尽くしてもいつまでも改善せず、それどころか悪化し
最悪のケースに至ることがあるようです
 
これは低体温症の症状が進んでいたりしたときに起きることなのですが
その場合は体をマッサージしたり、ペットボトルにお湯を入れて
腋や股頸部に添えたりして体表面加温で体温を上げてやることも必要、
ただし、これは軽度な低体温症には有効なのですが
重度になってくると逆効果で
体内温度を上げる処置が必要になってくる
素人判断では難しく、ただちに病院での医療措置が要ります
 
歩くことが出来ない、立てない、震えを通り越して停止状態
支離滅裂で錯乱状態、反応なしという状態のときは
お湯等を使って加温しないように、かえって死亡率を高めてしまいます
 
低体温症はなってからでは遅い、予防に力を注ぐのがベスト
断熱性防水性のある衣服、着替え、ツェルト、シェルターなど防風対策
温かい糖分を含んだ飲料水、炭水化物、多糖類などの食糧などなど
 
行動中にアルコールは飲まないように
また、強風、風雪、風雨時は避難小屋に留まるなど行動を中止しよう
怪我をしているときも
無理に行動をすると低体温症の原因になったりします
特に頭部や内臓(コアの部分)は冷やさないように保温に努めよう 

2013年12月10日火曜日

忍び寄る低体温症

 
 
低体温症の症状は以下のとおりですが、必ずしも
順序がこの通りでなく、いきなり思考能力が低下し
死に至る場合がある
 
重度  意識           体の動き          震え
 
前兆   正常   手先での作業ができない  震えが起きる
軽症 無関心と眠気 よろめく、口ごもる 震えが止められない
中等症 意識不明        運動失調   同上、震え最大 
重度  錯乱           立てない     震え停止
最重度  なし            なし           なし
 
              
 
各重症度への経過時間はどのくらいかということが
一番の関心事になるのですが
これはそのときの気象条件によって
あるいはその方の状態によって大きく異なる
 
例えばあのトムラウシ遭難では
強風という条件の中で
さらには衣服、下着、靴などが濡れているいない場合
あるいはそれまでの疲労の度合いなどによって
進行速度が異なったものと考えられる
早い方では
発症してから死亡まで推定2~4時間以内が5名
6~10時間以内が3名
前記の方は急性低体温症だったと思われる
 
前兆の段階で行動を停止し強風を避け
重ね着や着替えをしたり
温かい飲み物を飲んだりし
その後、小屋に引き返すか、テントを張り避難すれば
遭難は避けられたはずなんですが
前兆を飛び越し、いきなり軽症以上になってしまうと
思考力が鈍り、低体温症対策がとれなくなってしまう恐れがある
 
これは温暖な四国の山でも冬場になると
起こりうることなので注意が必要なようです
強風の天狗塚~牛の背を歩いているとき
震えが止まらなくなって、
岩陰で重ね着をし温かい飲み物を飲んだ結果
やっと震えがおさまった経験があります
体感温度を急激に下げる強風のときは怖いですね

雪崩埋没と経過時間と生存率

 
 
経過時分      生存率
5分         100%
10分   おおよそ95%
20分        80%    
30分        35%
40分~90分    30%   
100分   おおよそ20%
110分   おおよそ10%  
120分      5%未満
 
15分以内で生存率90%以上であること
35分では30%、120分以上では生存率が
ゼロに近くなることを考えたときに
いかに早く救出することが大切かが分かる
 
流されたときは埋まらないように泳いだり
口の周りに手でエアポケッを作ることが大切ですが
その前に雪崩の起きる可能性のある山に登るときは
ビーコン、シャベル、ゾンデ、無線必携
ただし、単独の場合はビーコン、ゾンデは無用の長物となる
冬山単独は出来る限り避けるか、一層慎重な行動が求められる

2013年12月8日日曜日

雪崩と弱層テスト

 
 
雪崩には全層雪崩と表層雪崩がありますが
全層雪崩は春先など気温が上昇したときに起きやすい雪崩で
土や岩の上に積もった雪が緩み
積もった雪の層全体が雪崩れること
 
斜面に割れ目(クラック)ができたり
雪にシワやコブができたりしているときは全層雪崩の兆候です
 
気温が低く降雪が多いときには表層雪崩が
発生しやすいのですが
雪庇が大きく発達していたり
斜面が吹きだまりなどで地形が大きく変わっていたりする場合
そしてスノーボールが斜面から転がっていたりする場合は要注意です
 
なお表層雪崩の場合は弱層テストによって
雪崩が発生しやすい状況かどうかを確かめる方法があります
 
シャベルがある場合は
四角い雪柱を切り出して
雪柱の頭の部分を後ろから両手をあてがい
手首の力だけで手前に引く
次に肘の関節の力だけで手前に引く
次には肩の力で手前に引く
 
特に手首だけの力でするっと雪の断層が生じ
手前にずれるようだと表層雪崩は極めて発生しやすい
状況にあるといえます。
その断層には霰とか霜などによる
滑りやすい層があるのが一般的なようです
 
なお、手で雪柱を切り出してもよいが
シャベルで切ったほうが
断面がよく分かり
見た目で弱層の位置が判断しやすいようです
 
弱層が現れた場合の登山はより一層の
慎重な行動が必要なことはいうまでもありませんが
少なくとも雪崩の発生しやすい地形や
斜面には近づかないことです
 
なお、谷筋、沢筋には絶対に入らないことはもちろんのことです
 

2013年12月7日土曜日

テープ考

 
 
山での道迷いによる遭難は深刻な状況だが
その原因はいくつかある
獣道や何人もの登山者の道迷いによってつけられた
はっきりしすぎた踏み跡などが間違った
方向に誘導してしまったりしている
 
しかし、皮肉なことに道迷いを防ぐために
つけられたテープが原因になって
誤った方向へと誘導していまい遭難するケースがある
 
テープを追っていくうちにいつのまにか
踏み跡が消えてしまっていて
とんでもないところでハッと気がついたときはすでに遅し
引き返すのにも大変な距離を歩いてしまっている
こんな経験無いでしょうか。
 
逆に獣道を追っているうちに現在地がまったく
分からなくなったとき
ひょこっとテープが現れて助かったこともある
そんなときはテープ様々、思わず手を合わせて拝んでしまう
 
しかし、あくまでもテープが見つかったのは
極々希に起きた偶然にしか過ぎない
こんなことを繰り返していたら
そのうち本当に遭難してしまいますよね
 
道迷いを防ぐために着けられたテープが
そのまま放置されていたために
次なる登山者の道迷いに誘い込んでしまうということを考えたときに
テープを残置することは慎まなければならない
 
もともと、着けたテープは回収することが山歩きの
基本になっていますし、一般登山道では着ける必要がない
山でのマナーはしっかり守りたいものです。
 
また、山歩きをする場合は
残地テープをまるっきり信用して追うことのないように
地図とコンパス、そしてできることならGPSも携行して
地形を把握し、現在地を確認しましょう

2013年12月6日金曜日

山登りのための体力作り

 
 
昨日、山登りは厳しいスポーツだから
体力作りなくしていきなりハードな山には
登るべきでないと言いましたが
ご心配なく、だからといって
ハードなトレーニングの必要はないようです
無酸素運動よりは有酸素運動による
トレーニングを心がけることが大切
 
① 脚力  ② 心肺機能  ③ 腹筋
この三つを鍛えればOK
 
先ず脚力は
普段の散歩は速歩で歩くこと
次にスクワット 両手を頭に、立ったまま足を開いて
しゃがむ立つを1回として数えての繰り返し運動
1セット10回からはじめて、慣れてくれば少しずつセットを増やす
 
次に心肺機能の強化
ジョギングもいいかもしれませんが
膝を痛める可能性が高いため
自転車、水泳などの有酸素運動で十分です
 
腹筋の強化は
仰向けに寝て、片足ずつ持ち上げることで十分
 
あとはザックに多少の負荷を掛けての
訓練のための山歩きを積極的にすることが
一番いいようです
 
ただし、休息日を入れて
体の疲れをとりながら行うのが大事なようです
疲れているのに、足や腰に痛みがあるのに
続けることは厳禁
 
もちろん、若い方はハードなトレーニングをも
取り入れ、体力増強に努めながら
もっとハイレベルな登山を目指してください 

2013年12月5日木曜日

山での危機管理<体力づくり>

 
 
登山に必要なものはたくさんある
装備、知識、経験、どれ一つ欠かせない
ただ一つの失敗が
とんでもない事態を引き起こす可能性を持っている
自然の力とはそういうもので
人の力など及びもしない
 
だからこそ、山登りを始める前に人はするべきことがある
それは体力作り
例えば、2002年、2009年、いずれも7月に起きたトムラウシ遭難
気象遭難による低体温症が原因だといわれているが
この山には装備や知識だけでは登れない
登るのには12~15kgのザックを背負い
1日10時間×3日間余裕を持って歩く体力が必要だといわれている
 
普段、そういう鍛錬をわたしたちはしているだろうか
自分の体力に見合った登山を心がけているだろうか
もしも、その山に登るのに
多少とも体力に不安があるようなら止めるべきだ
特に一つのパーティーに参加して登ろうとするなら
それは無謀というもの
 
登山は所詮遊びだという方がおいでる
たしかにそのとおりだが
その前に非常に厳しいスポーツだということを
理解したうえで体力作りを
普段から心がけよう
そうすれば一段と楽しい山歩きが保証される 

2013年12月4日水曜日

山岳保険あれこれ

 
 
パーティを組んで山へ行った場合
不幸にも遭難してしまったとき
その救助に要した費用はどうなるのか
 
この場合一般的には
人数分を按分しての支払いになるので要注意
 
例えばAさんBさんCさんの3人グループで全員遭難して救助された
救助に要した総額は300万円だったとしよう
保険会社などから支払われる金額は一人100万円となる
 
Aさんが200万円、Bさんは50万円の保険に加入していて
Cさんは未加入だったとしたら
Aさんが入ってた保険会社からは100万円
Bさんが入ってた保険会社からは50万円
しか支払われず、合計150万円となるので
150万円不足することになる
 
これをどう埋め合わせをするかは自明の理ですが
ひょっとしてAさんの保険会社からは200万円
支払われると思ってたらそれは甘い考えです
 
もちろん、遭難者が死亡した場合は
遺体の搬送費用も含めて家族負担となる
 
民間ヘリの場合費用は1分1万円
民間救助隊夏季日中日当一人3万円、夜間5万円
冬季一人10万円、地域によって多少異なるが
一般的な相場です
救助が長引けばかかる費用は天井知らず
 
山はもともとハイリスクなスポーツ
まさか、わたしにはそんなことは起きないだろう
「まさか」「だろう」という言葉は山だけではないが、
特に山には通用しないと思ったほうがいいようです
 
家族にも出来る限り迷惑がかからないようにしたいものです
 

2013年12月3日火曜日

山岳救助あれこれ

 
 
一般的には山岳事故が発生すると
まず県警ヘリか消防隊の
ヘリどちらかが出動することになるが
その後地上部隊が動くことになる
 
しかし、それでも救助できない場合には
民間人で構成された救助隊が出動する
 
 
その場合は費用として救助の内容により
一人あたり3万円~5万円の日当が必要になるようですが
支払い能力があるかどうかは一般的には確認しないようだ
 
仮に30人出動したとすると
90万円から150万円ということで
これ掛ける日数なのでかなり高額になる
そのうえに民間ヘリが出動した場合は
その分がさらに加算される
 
山岳保険に入るべきか入らなくてもいいのかは
それぞれの方の家庭の経済事情にもよるが
少なくとも入っていない、支払えないということだけは
避けたいものです。

2013年12月2日月曜日

山装備はお金で解決しよう

 
 
濡れても体温を奪わずすぐ乾く登山用ウェア、
高級なダウンや防水透湿性雨具、
超軽量化したさまざまな山装備 
 
弾けるような体力でしのげるのは若いときだけ
年齢が高くなればなるほど
体力も気力も落ち知恵も働かない
 
そうなると最後にモノをいうのはお金だ
使うのは「今でしょ!」
安全は積極的に買おう

2013年12月1日日曜日

耐風姿勢

 
 
山で歩いてるときに受ける強風は
とても嫌なものです
体温が奪われ非常に疲れやすい
 
追い風ならまだましなんですが
向かい風だとことさらにエネルギーが要ります
歩くエネルギーに加え
バランスを保つためのエネルギーも
必要とされ、さらには体温を保持するための
エネルギーも要るので三重苦というところでしょうか
 
風速が20mを超えてくると
体が飛ばされそうになるので
歩行困難な状態になってしまう
 
そういうときは自然と耐風姿勢をとるようになりますが
このとき人は頭を風下、背中を風上に向けようとします
雨混じりの風のときはとくにそうなります
これは顔に雨風が当たらないように
さらに首筋から雨風が入らないようにということなんですが
ところがそれでもバランスが保てないような
強風のときは頭を風上に持っていくという
耐風姿勢が必要になってきます
 
実際にやってみないとピンとこないかも分かりませんが
重心の重い頭を風上に持ってくることによって
人の体はバランスが取れ歩行がしやすくなります
 
これはあくまでも突然の突風などの緊急時ですね
本当はこんな日は山歩きを中止するか
避難小屋あたりで待機したほうがよいようです。