2019年8月28日水曜日

アブラゼミ



パッチワークの 田に降る 秋の長雨

前線が停滞し雨を降らせている
雨の合間を見て、散歩に出かける
土手には一度刈られてしまったオシロイバナが
勢いを盛り返し、赤白黄色ピンクの花を咲かせている

その土手の下では田んぼが広がっているが
早米の稲は穂を重たく垂らし
黄金色に熟れている
その横の田では遅米の稲が濃い緑色をしていて
まだ花穂もつけていない

昔と違って最近の田んぼは
一枚一枚違っていて面白い色をしている
降りそそぐ雨はいつまで続くのか
この先の天気予報は、ずんやり傘マークだ


 

2019年8月27日火曜日

ナンゴククガイソウ



パセリの葉 キアゲハの子ら 食い荒らし

イタリアンパセリにキアゲハが飛んできて
卵を産み付けた
やがて四・五匹の緑と黒の縞模様の芋虫が
パセリ畑で元気に育っていた
その後何度もキアゲハの飛んでいるところを目撃した
日が経ち、無数のキアゲハの幼虫が
パセリ畑を占拠し
瞬く間に葉がなくなり、茎だけになった

わずかに残った葉には
まだまだたくさんの子がしがみついている
この先、どうなるのだろう
やっぱり、餓死なのかな
おかあさん、頼むからもうここには卵を産まないで



2019年8月26日月曜日

キリギリス



秋日差し 目覚めてみれば 畳染め

外はすっかり涼しくなって
日中の気温は真夏日を切っている
昼寝するにもエアコンなどいらない
畳の上で大の字になってぐぐっすり寝込んでしまった
ウッとなって涎をすすくりながら目を覚ますが
寝過ぎてしまって、頭がぼんやり

いつの間にか日は西に傾き
障子に影が映り込み
部屋には紅い日が満ちていた
ほんとうに、いくらでも寝られます

2019年8月25日日曜日

チョウセンナニワズ



猛暑日 熱にうなされ 床に臥す

偶然に剣山で珍しい木を見つけた
1mにも満たない低木で赤い実をつけていた
写真を撮って帰宅して調べたところ
沈丁花科のチョウセンナニワズで
オニシバリの近種
石灰岩質に生える木でところによって
絶滅危惧種となっている

5月になると淡黄緑色の花を咲かせるが
目立たない
この日はたまたま赤い実がなっていたので
発見することが出来た
5月にその花を見てみたいものだ

翌日に下山して、
その翌日に風邪を引いてしまった

 

2019年8月20日火曜日

ツクツクボウシ



溝萩の 隙間から見る 鳰夫婦

雨上がり、池の散歩道をくるりと一周
葉陰にはシジミおり、トンボ止まり、空蝉あり
猫までいて、餌をバッグに入れた女性が歩いている

桜の木には蝉が鳴いているが
クマゼミ、ニイニイゼミ、アブラゼミ、ツクツクボウシ
この時期は全部そろっている

池のほとりには萩の花が咲き
隙間から水面が光る
カイツムリがきゅるきゅるきゅる―っと鳴き
ときおり小魚を銜えて水面にぽっかり浮かぶ
カイツムリの風情は、冬とは限らないようだ

2019年8月19日月曜日

マタタビの実



秋立ちて 誰もいぬ浜 波ぞ寄す

お盆が過ぎると、あれほど賑わっていた
海に人影なく
沖には白い帆を立てた釣り船が浮かび
波静か

浜辺近くに建てられたバンガローにも誰もおらず
オーナーが洗って干した
色とりどりのバスタオルがいくつも風に揺れていた

海の風景を撮りたかったが、生憎相棒とツーリング中
夏風邪を引いていてついてゆくのに必死で
ペダルを踏む足重たく断念
代わりにマタタビの実なんていう写真は風情がない

 

2019年8月18日日曜日

サワギク



風邪を押して 自転車で走り

夏風邪を引いて、熱は下がったが
なんとなく体が気怠く、鼻もまだぐしゅぐしゅしてる
どうかなーと思いながら相棒と二人
ツーリングに出かけた

走り終えた後、よせばいいのに
ビールを一本
帰宅してガアーッと寝て起きたら
頭重たし
治り切ってなかった風邪はまたぶり返した
風邪を治す前にバカを治したいのだが
治らない

2019年8月16日金曜日

ヒョウタンボク



台風去り 一つの雫 蟻叩く

それほどの風も吹かず雨も降らず
台風は遠くへ去ってやがて温帯低気圧になった
雲間から陽がこぼれ
静かにしていた蝉が活気を取り戻した
その翌日は青空が広がり
真っ白い雲が盛り上がる
やれやれ、やっと日常が戻ったが
暑さもまた戻り、36度なり
こんな猛暑、子どものころあったかな


2019年8月14日水曜日

ミヤマキンバイ



風 いかほど強し 柳枝

台風10号がじわりっと四国に近づいている
風が少しずつ強くなっていて
鳥は川上に向かって何羽も飛ぶが
どの鳥もなかなか前へ進めず四苦八苦

草木も揺れているが
そんな中で一段と揺れているのが柳葉
まるで女性のしなやかな頭髪のように
地上とほぼ平行に真横に波打っていて
どんな強風が吹いているのかと思わされる

すぐ目の前の標高1000mほどの山は
真白く、なにも見えない
明日、四国最接近、何事もなきよう!

2019年8月11日日曜日

夕陽



山小屋で オンビキ五匹 合唱

山の日の前日に山小屋で泊まった
天気よくたくさんの宿泊者でほぼ満室
申し込みが遅くなってしまって相部屋

もう慣れっこになったとはいえ、いびきの合唱には
なかなか寝つけないでいる
いびきもなかなかのものだが
寝返りを打つもの
これが二段ベッドなので響く

今回は大きな声で私語をするものや
寝言を言う者がいなかったので
まだ助かった

塔の丸の後方に沈む夕日はきれいに焼けました




2019年8月9日金曜日

ワルナスビ



車に葭津かけ 交通整理する男あり

立秋過ぎて、今日もカンカン照りの猛暑
交差点付近の空きスペースに不審な車在り
車全体にヨシヅを掛けている
すわ、浮浪者か

交差点で紅白の旗を振っている真黒な男がにやり
焼けつくようなカンカン照りの熱い日差しの下で
一日大変です
仕事が終われば冷たいビールでもやってつかーな
お疲れさんです
 

2019年8月7日水曜日

コバノトンボソウ



月夜のジョギング 歩くバッタ 走る蜥蜴

上弦の月に照らされた道をゆっくり走った
気温33度、湿度63
汗が噴き出て、頭から流れ落ち
シャツがぐっしょり
よたよたよろけながら走る道には
バッタが歩き、蜥蜴が走る
この道は車などほとんど走らないのだが
運悪くライトを照らし走ってきた
いかん!と思ったが遅し
ぐしゃっと短く2回音がした
うーん、アーメン、仕方ない
また生まれ変わって来いよ

2019年8月6日火曜日

モウセンゴケ



束の間の台風 風涼し

台風8号が去った
久しぶりに気温は30度
一日エアコンを入れずに過ごせた
普段より5~6度も低いと、30度なんて涼しいもんですね

続いて9号が、さらに10号が発生した
オンパレードだ
ヤバい

台風が去ったあとしばらく雨が降ってたが
いまはわずかに青空が覗き
真っ白な入道雲が空高くもくもく伸びている
やあ、明日からまた猛暑だな

2019年8月4日日曜日

時間差熱中症



ヒリヒリと 灼熱地獄 容赦なし

自転車で焼けたアスファルトを走った
いつもより距離少なめにして
エアコンの効いたレストランに飛び込み
キンキンのビールを注文
一杯飲んで帰宅し
片付けなどほったらかして
そのまま床にひっくり返って昼寝

途中で目覚めたら、頭がガンガン
心臓がドックドック打つたびに
鼓動に合わせてガーンガーンと頭に響く

これはいかん、熱中症だ
ヤバいと思ったが
起きられず、再び寝てしまった

再び目覚め、フラフラ立ち上がり
梅干を食べ麦茶をちびちび飲んで
しばらく経って落ち着いた

自転車で走ってる最中、何度も休憩をとり
麦茶を飲んでいたのだが、ダメだった
そのときにはどうもないのだが
後にエアコンの効いた部屋で寝てたりしたときになって症状が出る
これを時間差熱中症というが
経験してみて、まじ怖いと思った
今年の夏は相当にきつい


2019年8月3日土曜日

キャンプ



逆走車に 怒鳴り 怒鳴り返され

左折したら、逆走車が走ってきた
精一杯左へ避け
開けた窓から、こらー!と怒鳴ったら
なにおー!と怒鳴り返された
なにも言うことなし
ぼくちゃん、怖いもんね

2019年8月2日金曜日

散歩



ワシャアー 蝉一匹が 空を飛ぶ

朝7時、日差しがきつくなる前に散歩に出る
裏山からはセミがミンミンワシャワシャツクツク聞こえてくるが
川を渡って土手に出ると煩い鳴き声は届かない

土手にはところどころに桜の木が植わっていて
近づいてゆくと次第に鳴き声が大きくなり
木の下に来ると鼓膜を揺るがすほどの
大きな音になる

カメラを持ってたら、蝉を撮るのだがなー
そう思いながらさらに一歩木の真下へ踏み出し
上を見上げた
警戒した熊蝉が一匹飛んで行った
あれほど喧しかった鳴き声はぴたりと収まり
静かになった
ふぇー!一匹でこの騒がしさ
かなわんなー


 


 

2019年8月1日木曜日

ナキイナゴ



流る汗 ぽたり焼石の上

3kmも走らないうちに
へたってしまって、道端に座り込む
暑い
頭からぽたぽた汗が流れ落ちて
傍にあった石の上に落ちて
黒いしみになった
しみはすぐに蒸発して跡形もなくなった
 
連日の晴れマーク
長雨で緑一色の風景はそろりと
赤茶けるところも出てきた

この夏は暑いだろうと予測し
青春18きっぷを買わなかったが
大正解で、こうも暑いと
いくら涼しい電車の中とはいえ
どこへも出かける気がしない