2010年11月28日日曜日

瀬戸の海


近年のこの海、詩情が思い浮かばない
表面は一見昔のままのようだが、それほどに荒れた
水質はいまだに年々悪化し
沖の砂は業者の採取で消え
歩けば琴の音が足元で聞こえたはずの
海岸もその砂が沖へと流れ去り
いまは見せかけの作り事
あれほどに豊かであった藻場もどこへやら
人々はこぞって小魚を根こそぎ掬い上げ
もう見る影もない。
青く輝いて見える海の底はおそらくごみの山
海だけではない。

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