2011年10月20日木曜日

金子みすゞさん



こだまでしょうか

「遊ぼう」っていうと
「遊ぼう」っていう。
 
「ばか」っていうと
「ばか」っていう。
 
「もう遊ばない」っていうと
「遊ばない」っていう。
 
そうして、あとで
さみしくなって、
 
「ごめんね」っていうと
「ごめんね」っていう。
 
こだまでしょうか、
いいえ、誰でも。

昨日NHKの「歴史秘話ヒストリア」で大正詩人金子みすゞさんの生涯が放送されていた。
27歳の短い生涯、幼い子どもさんを残して、自ら命を絶った。
あまりにも悲しい若い死。
自殺は他人からすれば、なぜと思うが、さまざまな人生には、窮地に陥っての究極の選択だが、その人が自殺を選ばざるを得ない事情もあると思った。

しかし、それにしても、とてつもなく優しい人だ。
こんなに女性らしい女性、いまだかつて出会ったことがない。
それともわたしの目は節穴なんでしょうか?
人生ってなんでしょうね?

他にもたくさんの詩があるが…以下。

「明日」

街で逢った
母さんと子供
ちらと聞いたは
「明日」

街の果(て)は
夕焼け小焼け、
春の近さも
知れる日。

なぜか私も
うれしくなって
思って来たは
「明日」


「こころ」

おかあさまは
おとなで大きいけれど、
おかあさまの
おこころはちいさい。
 
だって、おかあさまはいいました、
ちいさいわたしでいっぱいだって。
 
わたしは子どもで
ちいさいけれど、
ちいさいわたしの
こころは大きい。
 
だって、大きいおかあさまで、
まだいっぱいにならないで、
いろんなことをおもうから。

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