2011年10月3日月曜日
讃岐うどん
村上春樹の辺境・近境という本をよんでいると、讃岐・超ディープうどん紀行のなかで、中村うどんの話が載っていた。
中村うどんも昔と比べて、かなり様子が変わってきたが、21年前の様子が書かれている。
おもしろいのでちょっとばかし取り上げてみよう。
店はひどく小さい。うどん屋というよりはむしろ建設現場の資材小屋みたいに見える。
間にあわせたみたいな小さなテーブルがいくつか並んでいるだけである。
………中略
ここの店ではうどん玉を勝手にゆがいて、だし汁なり醤油なりをかけて食べ、勝手に金を置いて出て行くのである。すげえところだなと思ったけれど、郷にいれば郷に従えで、僕らも勝手にうどんを自分でゆがいてだし汁を掛けて食べる。丼を持って外へ出て、石の上に腰掛けてずるずるうどんを食べる。時刻は朝の9時過ぎである。天気もいいし、うどんも美味しい。朝っぱらから石の上に腰掛けてうどんをずるずるすすっていたりすると、だんだん「世の中なんかもうどうなってもかまうもんか」という気持ちになってくるから不思議である。
………中略
うどん屋の建物の裏は畑になっていて、そこには葱が植えてある。お客の証言によると、昔「おっちゃん、葱がないで」と文句を言ったら、「やかましい、裏の畑から勝手に取ってこい」と叱られたそうである。
………後略
しかし、それにしても讃岐うどんって、村上春樹によると、辺境地の食べ物らしい。
一応書物は辺境・近境とタイトルをつけてはいるが、もともとのタイトルは辺境だけだったらしいのだ。
なんとも、ほんとうにワイルドな話だね~。
-ジャケツイバラの実-
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