前回はいつ行ったのかな~、ひょっとして去年のこと?
まさか…、今年の1月のことだろうか。
それにしても3ヶ月ぶりだわ。
ますますカビのような髪の毛、縮かめてカビの毛、伸びてるのやら伸びてないのやら、わからんようなった。
とりあえず、気温も高くなってきたのでおばちゃんに会いに出かけた。
「こんちは、お久しぶりぶり~」
店にいたおばちゃんに挨拶したが、なんだか様子が変だ。
元気がない。
「月曜日につまずいて転けて、肋骨を骨折したんよ」
「え~っ!」
「テーピングしてるんやけど、動くとピリッと痛みが来る」
「仕事してて大丈夫なん?お店閉めて休まなきゃ」
「動きにくいけど大丈夫みたい、さ、どうぞ座って」
どうしようかな、一瞬戸惑ったが、勧められてるのに帰れないわな。
いつものおしゃべりにも元気がない。
それでもやれ尖閣諸島がどうしたの、北方領土はどうなっとんや、スカイツリーは凄いだの首都直下の地震は大丈夫かなど話題が次から次へと。
わたしが山が好きなのを知っていて、三浦雄一郎一家の話を持ち出して花が咲いた。
「それにしてもあんたそうとうに焼き込んでるわ、日焼けして色黒いっていうのは健康そうだね」
しかし、それでも言葉の節々に切れがないし、力がない。
話の合間に耳元でちょっとした荒い息づかいが聞こえてくる。
小さな身体をひょっと動かしたはずみに小さくウッと呻くような声も洩れる。
気の毒で心配になってきたが、それでも一生懸命に鋏を動かしているのがひしひしと伝わってくる。
お医者さんが言うことには、肋骨の骨折はそのうち治るけど、背骨全体が曲がってきており、そこからくる痛みなどはもう治らないそうだ。
「先生、わたしどうしたらええん」
「年齢から来てるから、これは治らない、骨の活性化を促す薬を出すから、これを飲むと多少は進行を遅らせることができるら、しばらく飲んでみよう、それと背伸びなどして軽く運動をしようね」
「わたしこれまで働くことばっかりで、特別に健康のために運動などすることなかったからね~」
おばちゃん、相当にショックだろうけど、それでも一生懸命に髭を剃り、髪を洗ってくれる。
歳がいくってこういうことなのか、それでも元気を出して働き生き続けるってこういうことなのか、わたしも十分すぎるほど分かる年齢になった。
おばちゃん、頑張れ。
また、来るから。
頭はすっきり、いつものスカッとした出来栄えだ。
さすがだ~。