2011年9月7日水曜日

蝉の抜け殻



あれほど賑やかだった蝉の鳴き声、いつの間にか静かになった。
ときおり聞こえてくるのはツクツクホーシの鳴き声だけ。
しかし、昼間の草むらではまだまだオーケストラ演奏が続いている。
ギリギリー、ギリギリー、スイッチョン、スイッチョン。
夜にはコオロギがしきりと鳴いているが、鈴虫の声はもう聞かれない。

庭には蝉の穴があちこちに見受けられる。
木の枝には抜け殻がたくさんくっついて、風が吹いても、落ちそうで落ちない。

穴を眺めていて、子どもの頃を思い出した。
シュロ箒で、土の表面を掃いてやると、小さな穴が現れて、細い枝ををその穴に放り込んで、置いとくと、その枝がもぞもぞと動く。
少し引いて、ゆっくりともぞもぞ動かしてやると、何かがその枝にしがみついてくる。
穴を少し広げてやって、そのままゆっくり持ち上げると、あらら、脱皮寸前の土を被った茶色い蝉が釣れた。

家に持って帰って、窓際のカーテンによじ登らせてやると、その夜に脱皮する。
透けるような緑色の薄いはねとからだがとても綺麗で、そのときは感嘆の声をあげるが、朝になると、普通の蝉になって、飛んでいった。


ST*2、W30*2、J-RS*3、DS100*3

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