ヘチマ
なんのやくにもたたないつまらないものの
例えとしてヘチマが使われる。
初夏が来ると母は庭によくヘチマの種を蒔いた。
芽が出て、支柱をのぼり、棚を這う
黄色い花が咲き、実が生り
その実は胡瓜状からやがてもっと大きく肥大する
母はしばらくその棚からぶら下がった実を楽しんだあと
根元近くの茎をポンと切り、根元の茎を一升瓶の口に差し込む。
茎からはポタポタと根から吸い上げた水滴が落ち、瓶に溜まる。
母は美人ではなかったが、ヘチマ水(化粧水として使った)のお陰で
肌に潤いがあり、つやつやしていた。
亡き母の唯一の自慢でした。
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