2012年10月25日木曜日

わん、油かすを食べるの巻


「老人ホームはお洒落な二枚目のお爺さんを探しています。
素敵なお爺さんがいるだけで、お婆さんたちが、
みんないいお婆さんになりますから」
 
戦前、上海でピアノを弾いていたという粋な老人が入所した
カンカン帽が似合い、いつも赤の細身のネクタイ、
ステッキを指先でくるくる回すような人で、
どのお婆さんにもレディとして対応する。
この老人が園内を散歩するようになったら
お婆さんたちも精一杯のお洒落をするようになった。
 
「雑巾みたいだったお婆さんたちが、少女のように愛くるしくなりましたがね、
そのお爺さんが亡くなったら、また雑巾みたいになっちゃって」
 
『大往生』-永六輔-
 
 
わん、また変なことをしだした
咲き終わった庭の花たちに
お礼肥のつもりで油かすの肥料を撒いた
すると、わんがとことこやってきて
片っ端から食べた。
 
惚けの兆候か、それとも単に餌と間違えただけなのか、
どっちだろう?
だいじょうぶか~?

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