2010年12月20日月曜日

GPSログ考


GPSで山登りすることはかなり普及し、夏はもちろんですが
特に冬山を目指される方には欠かせない
貴重なものになっている。
山を歩くとき、即座に自分の現在地が分かるし
高度・方位・進路・時刻・歩く距離・歩いてきた奇跡・
等高線による地形の把握・ルート・滝・湖・崖などが分かる。
最近の山での事故・遭難(スポーツ、山菜採り、
観光、学術研究調査なども含む)
を考えるとこの貴重な機器を使わないこと自体が
ナンセンスな時代になってきているように思える。
もちろん、高価なものですので、なかなか購入できる
ものではありませんが、最近はかなり安くなって
きているし、そのうち、知らない街へ出かけたり
旅行するのにも欠かせないものになるものと思います。
おそらく、それは携帯電話に付加されるときも
くるのではないでしょうか。
   
ホームページやブログを開設して
積極的にコミュニケーションを楽しんでおられる方は
これを使って、過去の記録として残したり、
またログを公開、あるいはデーターを交換したりなどもして
一層山登りの際の安全を確認したりしています。
この結果、おそらく、山登りをされている方は相当に
特定の山に対して事前の詳細な情報を把握でき
安全に山に登ることができているのではないでしょうか。
わたしもその一人なのです。
  
一方で、最近の登山人口の急激な増加で
オーバユースによる登山道や尾根・沢などが
荒れてきていることも事実で問題になっています。
トラックログを公開することによってこれを見た方が
刺激され山に入る方が増える、あるいは
一般的なルートでないところへ入る方が増える、
必然的に山は荒れるとして、警鐘を鳴らす方も
おいでるようです。
  
随分と古い言い方ですが、人間が発明した、あるいは
開発した文明の道具は数え切れないほど多々ある。
機関車、電話、電気、飛行機、時計、テレビ、洗濯機、冷蔵庫、車
船、ロケット、ときには鉄砲、ダイナマイト、究極には原爆などなど。
  
このどれもが、大なり小なり、功もあれば罪もあります。
車はどうでしょう、これがなければ交通機関がない
田舎では生活ができないほどのものですが、
一方では交通事故発生がおおよそ73万件
負傷者が90万人、死亡者はざっと5000人
これほどの犠牲を伴って、なおかつ、車が走る道は
ある意味で多くの自然を破壊し続けてきたでしょうし
、今も尚進行が止まっていない。
ダイナマイトはどうでしょう、山を切り開き
橋や道路を作ったり、鉱山を開発したし、しかし
その裏では発明したノーベルさんの意図に反して
戦争に使われ、何百万人何千万人の方が命を失っています。
原爆はどうでしょう、かたやそのとおり、究極の殺人兵器です。
しかし、原子力発電なくして、水力・火力・風力などだけでは
まかないきれない状態です。
ものには必ず功と罪がある。
自然界にも存在する薬草は薬にもなるが毒にもなる。
要するにそれを使う人間次第というわけですが、
GPSによるログの公開がそれほどに罪になっているんでしょうか?
本当に自然を汚し破壊し続けているんでしょうか?
まったくない、ゼロとは言い切れませんが、
それははなはだ申し訳ないが間接的なものでしかないはずです。
間接、それも山を愛する人が静かに歩いている方がほとんどです。
GPS、安全と生命とを守る事に対する
功の部分を上回るような罪で危険なものなんでしょうか?
仮にもしも罪だとしたら、目を悪くし、
コミュニケーションのない一方通行の、
家に閉じ込めてしまうと云われているテレビ、
あなた止めますか?いまだに交通戦争を引き起こしている車
と開発が止まらない道づくり、あなた乗ることを止めますか?
パソコンも相当に目に悪い機械ですし、ネットはある意味
犯罪の温床にもなっている今日です。
ネット通信もホームページもブログも止めますか?
ホームページやブログそのもが公開であり
なんであれログ抜きの記事そのものが
間接的に人を刺激し、動かしていることも
考えてみたことありますか?
ログの公開が悪いというならホームページや
ブログの公開も否定せざるをえないのではないでしょうか?
むしろ、公開することにより、いままでにない
新しい世界が広がり、コミュニケーションが深まり
安全に対する認識やその他のさまざまな議論も
深まるのではないでしょうか。
それは、テレビではあり得ない、全国、全世界の人たちとの
コミュニケーションの新しい在り方です。
誰にも止めることなどできないでしょう。

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