クマ捕獲しましたが、今しばらく、種池テント設営はお待ち下さい。
2012 8/ 24(金)
8/13から14日にかけて、種池テント場に現れて、テント3張り損傷、テント内物色、ザックの持ち逃げ、山荘周辺の徘徊等をして、一連の騒動をおこしたと思われる、クマが、本日オリに捕獲されて、地元猟友会の皆さんに早々に上山していただき、殺処分にしていただきました。 北アルプスの大自然の中で、クマをはじめいろんな動物植物と共生していかなければならない、山小屋の人間としては、一抹の残念さも覚えるわけですが、今回については、登山者の安全を第一義に考えれば、致し方なかったことかと思っています。皆様にもご理解していただければさいわいであります。なお今回の一件については、“お仕置き”
してからの、“学習放獣” なども考慮されましたが、なかなか危険困難さが伴うため、除外されて、今回の殺処分という結果となりましたことをご報告申し上げます。
騒動発生から11日目、皆さんからは長い時間に思われるかもしれませんが、関係各官庁の皆さん、地元猟友会の皆さん、荷揚げのヘリ会社等々の皆さんの、素早いご尽力、ご判断によって、お盆時季もはさんでの、人里離れた北アルプス主稜線においては、相当に早い解決になったのではと、自分としては胸を撫で下ろしているところです。関係各位には厚く御礼を申し上げる次第であります。またテントの皆さんや小屋泊まりの皆さんにも、ご協力いただき、いたずらに騒ぎ立てることなく冷静に行動をしていただけたことが心からありがたかったです。本当にありがとうございました。小屋のスタッフにしましても、ようやく落ち着いて休めそうです。私も徐々に安心感がもどってきそうです。
なおクマの“人定”はなかなか難しいことですが、事件後の行動からもおそらく、騒動をおこしたクマと思われます。ただ、やはり“人定”が困難なことから、最低限の時間的猶予を持って、種池テント場の利用再開をしたいと思います。
よってテントのお客様にはご迷惑をおかけいたしますが、今週末に関しては、引き続き利用禁止を継続させていただき、周辺での新たな出没がないのを確認した上で、週明けの8/27(月)からの利用再開にこぎつけたいと考えております。ただ100パーセントの確認はできませんので、再開後も、各人の責任によって、テント設営していただき、テントやザックの管理、あらゆるゴミの持ち帰り、夜間のテント内への荷物収納等々にご協力いただきたいと思います。また小屋にしましても、周辺にクマが近づかないように、排水やゴミの管理等の改善点をさぐり、来シーズンへ向けて対策を練っていきたいと思っています。さっそくいくつかの点では取り組みを開始いたしました。
また先日も報道では、上高地などでも今夏のクマの目撃情報が、例年に比べてかなり多いといった報道がありましたが、当方の鹿島槍ヶ岳、爺ヶ岳山域でも、お客様の目撃情報が例年より、ちょっと多めかな? といった印象を受けています。ただ先日も書きましたが、クマは本州や北海道の山間部には、普通に生息している動物ですので、いたずらに騒ぎ立てるつもりも毛頭にありません。つい先日も、今回の騒動中に、冷池テント場にクマのうんちがあると、連絡してくださったテントの方がいらっしゃいましたが、スタッフが確認したところ、クマのものは見つからなく、人間とサルのうんちのようでした。 どうしても神経質にならざるをえない、クマへの対応ですが、常に冷静さを欠くことなく、周囲には常に注意をはらいながらの行動をお願いしたいと思います。
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