2010年2月16日火曜日

GPS

先日、偶然にも山頂で出会った方と
一般ルートでないルートを下山する機会に恵まれた。
以前から興味のあったルートでしたが、
そのルートを磁石と地図を持って一人で歩くにはちょっとした勇気が要る。
ルートファインディングする計画は自然と延び延びになっていた。
思いがけないいい機会。
いろいろとお話ししながら下っているうちに
その方は先週にもこのルートを通っており、
その際に落とし物をしたのだという。
今日はその落とし物を回収するために
同じルートを通るという。
ふむふむ、そうなんですか、なんとなく聞き流しながら
相づちを打ちながら、わたしは磁石と地図で地形と
方向と景色を頭に叩き込みながらその方を追う。
その方はときどき立ち止まりながら方向と
ルートをしきりと確認している。
手元を見ると小さな器具と地図。
その器具をよくよく見るとGPSでした。
G社製のものだ。
少しは知識があったので、オ〇〇ンですか?と尋ねたが返答はなかった。
ところがどっこいいろいろお話しを聞いているうちに
その製品はダ〇タ・20(英語版)という
最新式のものだということが後日になって分かった。
しきりと先週のルートをチェックしながら歩いているが
そのルートは明らかに北北西への尾根を下っている。
突然、「あったー!」と大声。
足元を見ると、先週に落としたと思われる
黄色い布袋に入れられた物。
なんとたまげた、GPSに従って、先週に歩いたルートを
寸分違わずにその上を歩いていたらしい。
因みにこのルートには踏み跡はほとんどなく、
特に落下地点にはまったくその痕跡はなかった。
GPS恐るべし。
この機械があれば、一寸先見えないホワイトアウトの山でも
道迷いなどという事故は起きないだろう。
しかし、同時にこの便利なものは
山歩きにとって醍醐味のルートファインディングという楽しみを
奪い去ってしまうものだとも感じた。

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